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コーチングストーリー2026年4月15日

専門性ゼロでカナダへ。「何もできない自分」に気づいた大学生が手に入れたもの

専門性ゼロでカナダへ。「何もできない自分」に気づいた大学生が手に入れたもの

「就活まであと1〜2年。でも、何十年も働く会社を今の自分に決められるのだろうか」——そんな漠然とした不安を抱えた大学生が、休学してカナダへ渡りました。待っていたのは「何もできない自分」との対峙。しかし、その経験こそが人生の転機となりました。ブライティー代表のなるが、自身の原点となったカナダでの1年間を振り返ります。

就活への不安から、カナダ行きを決意

代表のなるは、大学2年生のとき、先輩たちの就職活動を見て強い不安を感じていました。経済学部に所属していたものの、特別な専門性があるわけではない。「何を持ってこの会社に行きたいと言えるのか」「何十年も勤め上げるイメージがあるのに、あと1〜2年でどうやって決めるのだろう」。判断軸がまったくない状態で、漠然とした不安だけが募っていきました。

そこで選んだのが、1年間の休学とカナダへのワーキングホリデーでした。「自分を探す期間として、モラトリアムを設けたい」。30歳以下なら1年間滞在できるワーキングホリデー制度を利用し、カナダ・トロントへ渡ることを決意します。

「何もできない自分」に気づいた1年間

カナダでの1年間で得た最大の学びは何だったのか。なるは「僕が何もできない人間だということを、すごく理解できたこと」だと振り返ります。

ワーキングホリデーでは現地で働くことができます。多くの人は仕事をしながら少し遊び、旅行も楽しむ——そんなイメージを持っていました。しかし現実は厳しく、とにかく仕事が見つかりませんでした。

履歴書を書きながら愕然としたといいます。日本でのアルバイト経験はあるものの、それを書いたところで何にもならない。空欄は埋まらないし、専門性も見えてこない。「これを見て誰が雇うんだ」と思わざるを得ませんでした。さらに英語もそれほど上手くない。そんな人を雇う理由がないのは明白でした。

周りとの比較で突きつけられた現実

カナダで出会った友人たちの履歴書を見せてもらう機会がありました。彼らには明確な専門性があり、「この人にはこれをお願いできる」というスキルセットが見えている。それと比べたとき、自分の履歴書は「真っ白」だったのです。

今でも忘れられない記憶があります。トロントの冬、ホームステイ先の地下室で夜中の4〜5時にふと目が覚めたとき。「僕は何も持っていない。明日からどうやって生きていけばいいんだろう」。外にも出たくない、何もしたくない——そんな状態に陥りました。

どん底から湧き上がった「どうにかしなきゃ」

自信のなさ、知り合いもいない孤独感。それらが重なり合って精神的に参りそうな状態でした。しかし、そこから急に力が湧いてきたのを覚えているといいます。「どうにかしなきゃいけない」という思いが、エネルギーに変わった瞬間でした。

この経験を境に、なるのマインドセットは大きく変わりました。「自動的な動きじゃダメだ」「自分で何かを切り開かなければ」。自分のスキル、自分一人の力に蓄えていきたい——そんなイメージがガラッと変わったのです。

失敗を恐れないマインドへ

海外でのきつい経験は、その後の人生における「比較対象」になりました。「あの頃と比べたら全部ハッピーだな」「チャレンジして失敗しても、あの頃のデメリットに比べたら全然デメリットじゃない」。失敗を失敗と思わなくなり、チャレンジがしやすくなったのです。

カナダ滞在中、なるは自分に厳しいルールを課していました。「日本語を一切喋らない」というものです。日本人に日本語で話しかけられても、英語で返す。それくらいストイックに取り組んだ結果、一緒にいた日本人の中で誰よりも英語が上達。帰国後に再会した人からは「日本語喋れるんだ」と驚かれるほどでした。

「手に職を持つ」という選択

カナダは移民国家で、トロントの人口の半分以上が移民です。彼らは自分の得意分野や専門スキルを明確に持っていて、だからこそ仕事を取ることができる。その環境で「自分は今、何の専門性も持っていない」「生きる力がない」と痛感しました。

この経験から、なるは「どこに行っても自分でビジネスができる、生活を賄える状態になりたい」と強く思うようになります。エンジニアという職業を選んだのも、「手に職を持つ」ためでした。

今では、サービス全体を一人で作れる状態になっています。コードを書く、マーケティングをする——規模を大きくするには仲間の力が必要ですが、最悪一人でもできるという状態。それは自分がずっと欲しかったものであり、生きていく上で必要な力だと感じているといいます。

価値観を広げることの大切さ

カナダでの経験以降、なるは「価値観を広げること」が好きになりました。大学の長期休暇は必ず海外へ行き、バックパッカーをしながら人に会い、自分の知らない世界を見る。学生時代だけで17カ国を回りました。

原点は中学生の頃、たまたま参加したアメリカへのホームステイでした。田舎出身で何も知らなかった少年にとって、トイレの形も、車の走る側も、ご飯の味も、言語も——すべてが違う世界は衝撃でした。「違う世界ってこんなに多様性に溢れているんだ」。その刺激が、常に新しい価値観を求める姿勢につながっています。

「僕が好きなタイプは、何を言うか分からないくらいちょっと変わった人」となるは言います。そういった人こそが自分の価値観を壊してくれる、一緒に成長できる——そんな感覚を大切にしているのです。

挫折は、人生を変えるきっかけになる

専門性ゼロの状態でカナダへ渡り、「何もできない自分」に絶望した経験。それは決して楽しい思い出ではありません。しかし、そのどん底の経験があったからこそ、「自分で切り開く」というマインドセットが生まれ、チャレンジを恐れない姿勢が身につきました。

今、同じように漠然とした不安を抱えている人がいるかもしれません。「自分には何もない」と感じている人もいるかもしれません。でも、その気づき自体が、人生を変える第一歩になる可能性があります。大切なのは、そこから「どうにかしなきゃ」と立ち上がれるかどうかなのかもしれません。

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