Section 7:学びを深めるためのリソース

書籍・団体・イベント・公式情報を活用する
コーチングは、一度学べば終わりというものではありません。
コーチとして活動していくためには、基本的な知識やスキルを身につけるだけでなく、継続的に学び続ける姿勢が、コーチとしての成長を支えます。
コーチングの考え方や実践方法は、書籍、関連団体、カンファレンス、公式サイトなど、さまざまな情報源から学ぶことができます。
ただし、情報源によって、扱っている内容や信頼性、更新頻度は異なります。
本章では、コーチングを学び続けるために活用できる主なリソースを整理します。
特に、資格要件や認定プログラム、倫理規定、試験内容などに関する情報は、必ず公式情報を確認しておくと、古い情報や誤った情報に左右されにくくなります。

7.1 コーチング関連の書籍・学習コンテンツ
書籍は、コーチングの考え方やスキルを整理し、新しい視点を得るための学習リソースです。
内容によっては、コーチングを受けるクライアントに紹介しやすい本もあります。
書籍を選ぶときには、今の自分の目的に合っているかを考えることが大切です。
たとえば、次のような目的があります。
・コーチングの基礎を知りたい ・傾聴や質問など、特定のスキルを伸ばしたい ・ビジネス、子育て、スポーツなど、専門分野を深めたい ・自分で自分をコーチングする方法を学びたい
目的や学習段階に合った本を選ぶことで、学びを実践につなげやすくなります。

主な書籍・学習コンテンツ
分類 | 書籍タイトル・コンテンツ例 | 著者・監修者例 | 特徴 |
基礎・入門 | 新版 コーチングの基本 | 鈴木義幸/コーチ・エィ | コーチングの全体像、基本スキル、実践例がわかりやすい。初心者から学びやすい。 |
基礎・実践 | 新 コーチングが人を活かす | 鈴木義幸/コーチ・エィ | 日常生活や仕事で使えるスキルと事例が豊富で、読みやすい。 |
入門・やさしい理解 | マンガでやさしくわかるコーチング | CTIジャパン/重松延寿 | マンガを通じて、コーチングの基本と効果を楽しく学びやすい。 |
補助学習 | Web記事、オンライン講座、スクール公開資料 | 各団体・各機関 | 書籍の補足や、特定テーマの学習に役立つ。 |
公式情報 | ICF関連資料、団体サイト掲載資料 | ICF、ICFジャパン支部など | 資格、倫理規定、コアコンピテンシーなどの確認に役立つ。 |
これらの書籍や学習コンテンツは、基礎をつかみ、自分の関心に合わせて学びを広げる入口になります。
学び始めの段階では、まず基礎を扱う本で全体像をつかみ、その後に専門領域へ進むと理解しやすくなります。
【実践ポイント】目的に合わせて本を選ぼう
コーチング関連の本は多くありますが、すべてを一度に読む必要はありません。
「基礎を知りたい」 「特定のスキルを伸ばしたい」 「専門分野を深めたい」 「自分で自分をコーチングしたい」など、自分の目的やレベルに合わせて選ぶことが大切です。
学び始めの段階では、基礎を扱う本で全体像をつかみます。
その後、傾聴、質問、フィードバック、チームコーチング、ビジネスコーチング、子育てコーチングなど、自分の関心や活動領域に合わせて学びを深めていきましょう。
7.2 日本の主なコーチング関連団体
日本には、コーチングを広めたり、基準を作ったり、コーチ同士の交流を深めたりする団体があります。
関連団体の情報を確認することで、コーチングの基準、資格、研修、イベント、研究、専門分野ごとの動向を知ることができます。
団体ごとに、扱う分野や目的は異なります。
プロコーチを目指す場合は、ICFのような国際基準に関わる団体の情報を確認しておくことが重要です。
一方で、教育、健康、子育て、マーケティングなど、特定分野に関心がある場合は、その分野に関わる団体や研究会の情報も参考になります。
主なコーチング関連団体
団体名 | 分野・位置づけ | 主な特徴 | 主な活動 |
国際コーチング連盟日本支部(ICF Japan Chapter) | 国際基準 | 世界基準のコーチング団体であるICFの日本支部。世界基準の情報を日本語でも確認しやすい。 | ICF基準の普及、日本語での情報提供、資格情報、イベント、交流、プロボノ活動 |
一般社団法人日本コーチ連盟(JCF) | 国内普及 | 国内でのコーチング普及や学習機会の提供に取り組む団体。 | コーチ養成機関の運営、大学公開講座、独自の検定試験 |
日本支援対話学会 | 学術研究 | 支援対話やコーチングに関連する研究を扱う団体。 | 学会誌発行、研究会など |
日本マーケティングコーチ協会 | マーケティング分野 | マーケティング分野に関わるコーチング団体。 | 認定資格、トレーニングなど |
日本スクールコーチ協会 | 教育分野 | 学校教育や子どもとの関わりにコーチングを活かす活動を行う団体。 | トレーニング、情報発信など |
ヘルスコーチ・ジャパン | 健康・ウェルネス分野 | 健康づくりや生活習慣支援に関わる団体。 | トレーニング、企業向けプログラムなど |
ハートフルコミュニケーション | 子育てコーチング | 子育てや家庭での関わり方に関わる団体。 | トレーニング、書籍、講座など |
コーチとして成長していくためには、個人で学ぶだけでなく、信頼できる団体やコミュニティとつながることも役立ちます。
特に資格、倫理規定、コアコンピテンシーなどに関する情報は、団体や公式サイトを通じて確認する習慣を持つことが大切です。
団体情報の活用方法
活用場面 | 内容 |
資格を知りたいとき | 資格や認定制度を確認する |
基準を学びたいとき | 倫理規定やコアコンピテンシーを確認する |
学びの場を探したいとき | 研修や講座の情報を集める |
交流したいとき | カンファレンスやイベントに参加する |
専門分野を深めたいとき | 分野別の団体や研究会の情報を確認する |
団体情報を見ることで、コーチングの基準や学びの場、専門分野の広がりを把握しやすくなります。
自分がどの分野で学びを深めたいのか、どの基準に沿って実践したいのかを考えるための手がかりになります。
7.3 コーチング関連のカンファレンス・イベント
カンファレンスやイベントは、コーチとして学び続けるための重要な機会です。
書籍や講座だけでは得にくい最新情報を知ったり、他のコーチと交流したり、実践者の考え方に触れたりすることができます。
また、ICF資格更新に必要な単位であるCCEを取得できる場合もあります。
イベント情報は、各団体の公式サイト、コーチングスクールからの案内、公式メールマガジン、SNSなどで確認できます。
開催形式や時期、内容は変わることがあるため、参加を検討する際には必ず最新情報を確認しましょう。
主なカンファレンス・イベント
イベント名 | 主な対象・分野 | 特徴 |
ICFジャパン コーチング・コンバージ | ICF基準で学ぶコーチ、プロコーチ | ICF日本支部が開催する大規模なカンファレンス。対面とオンラインのハイブリッド形式で行われることがあります。 |
ビジネスコーチング・チームコーチングカンファレンス | ビジネスコーチ、チームコーチ、組織支援に関心のある人 | ビジネスコーチングやチームコーチングに関するテーマを扱い、講演や対話が行われます。 |
日本ラグビーフットボール協会(JRFU)コーチカンファレンス | スポーツコーチ、ラグビー指導者 | ラグビーコーチ向けの研修会。オンラインセミナーや動画視聴などの形式で行われることがあります。 |
イベントは、知識を得るだけでなく、他のコーチの視点や経験を知る機会にもなります。
また、自分がどの分野に関心を持っているのかを確認したり、今後の専門分野を考えたりするきっかけにもなります。
イベントに参加する意味
イベントに参加することには、いくつかの意味があります。
・新しい知識や実践例に触れられる ・他のコーチの視点や経験を知ることができる ・自分の専門分野を広げるきっかけになる ・コーチ同士のネットワークを作ることができる ・資格更新に必要な学習単位につながる場合がある
コーチングは、人と関わる実践です。
そのため、本だけで学ぶのではなく、実際に活動している人たちと交流しながら学ぶことも、成長の大切な要素になります。
7.4 ICF公式サイト:信頼できる情報源
国際コーチング連盟(ICF)の公式サイトは、コーチングに関する信頼できる情報源の一つです。
特に、ICF認定資格を目指す人や、国際基準に沿って学びたい人にとっては重要な情報源になります。
資格、倫理規定、コアコンピテンシー、認定プログラムなどに関する情報は、書籍やWeb記事だけでなく、必ず公式情報を確認することが大切です。
ICF公式情報で確認できること
情報源 | 確認できる主な内容 | 活用場面 |
ICFグローバルサイト | ICFコアコンピテンシー、倫理規定、認定資格の詳細、資格保有者検索、認定トレーニングプログラム検索、研究論文、イベント情報など | 国際基準の原文や詳細情報を確認したいとき |
ICFジャパン支部サイト | 翻訳された倫理規定、コアコンピテンシーの概要、日本の資格保有者情報、国内イベント情報、プロボノ活動など | 日本語でICF関連情報を確認したいとき |
トレーニングプログラム検索(TPSS) | ICF認定のトレーニングプログラムを、地域や言語などで検索できる | コーチングスクールや認定プログラムを探すとき |

ICFグローバルサイトは、主に英語で提供されていますが、ICFの基準を確認するうえで最も詳しい情報源です。
ICFジャパン支部サイトは、日本語でICF関連情報を確認したい場合に役立ちます。
TPSSは、ICF認定のトレーニングプログラムを探すための検索ツールです。コーチングスクールを選ぶときには、スクールの説明だけでなく、ICF認定プログラムとして登録されているかを確認することも大切です。
【実践ポイント】公式情報を確認する習慣を持つ
資格要件やルールは、変更されることがあります。
そのため、ICF認定資格、倫理規定、コアコンピテンシー、認定プログラム、試験内容、資格更新に関する情報は、必ずICFの公式サイトで最新情報を確認しましょう。
書籍やWeb記事、スクールの案内は学びの入り口として役立ちます。
しかし、資格取得や正式な手続きに関わる情報は、最終的には公式情報を基準にすることが大切です。
コーチとして学び続けるうえでは、「どこで学ぶか」だけでなく、「どの情報を信頼するか」を見極める力も必要になります。



